五月雨 -samidare- に関する考察的なオレ分かってるぜ的な 第一回 - 前提条件とか -

まずは番組で披露されたこの曲から参りましょう。前回も貼りましたが以下動画と歌詞。


【ゲス極川谷・くるり岸田が絶賛!】中学3年生で「オリジナル300曲」の怪物”崎山蒼志”が登場!さらに“中1で作った楽曲”にスタジオ騒然…!|〜第3回高校生フォークソングGP〜|日村がゆく!#51 - YouTube

フルバージョン↓
崎山蒼志「五月雨」(MV) - YouTube


歌詞


裸足のまま来てしまったようだ
東から走る魔法の夜
虫のように小さくて
炎のように熱い
素晴らしき日々の途中 こびりつく不安定な夜に
美しい声の針を静かに泪で濡らすように
素晴らしき日々の途中 こびりつく不安定な意味で
美しい声の針を静かに泪で濡らして
意味のない僕らの救えないほどの傷から
泪のあとから 悪いことばで震える
黒くて静かななにげない会話に刺されて今は
痛いよ あなたが針に見えてしまって
素晴らしき日々の途中 こびりつく不安定な蒼に
全ての声の針を静かに宇宙で濡らすように
素晴らしき日々の途中 こびりつく不安定な意味で
美しい声の針を静かに泪で濡らして
意味のない僕らの救えないほどの傷から
泪のあとから 悪いことばで震える
天使と無様な救えない会話に刺されて今は
今流れるこの頬は すべてを
すべてを すべてを
冬 雪 ぬれて 溶ける
君と夜と春
走る君の汗が夏へ 急ぎ出す
冬 雪 ぬれて 溶ける
君と夜と春
走る君の汗が夏へ 急ぎ出す
急ぎ出す
急ぎ出す

 

んー。エモい。もう蒼志って漢字がエモいって読めちゃう。もう『蒼い』って書いて『エモい』って読もうぜ今から。

この歌詞の意味を、演繹的に、要は歌詞のキーワードからひらめき、連想させられたものを元に、遡って歌詞が意味するものを検証してみるという試みなわけです。

 

あくまでも個人の意見です。

大事な事なのでもう一度言います。

あくまでも個人の意見です。

 

さて最初に前提条件として前情報を準備しておきましょか。


・崎山君の歌詞は可能な限り言葉を削る

冒頭、しょっぱなから「誰が」、主語が大胆にカットされています。サビで「あなた」が出てきて初めて相対化され、冒頭の主語が「僕」だと判明する訳です。5W1Hとか報・連・相とかあったもんじゃない。何があったんだよ。てかまずお前誰だよ。そしてクライマックスの

熱く流れるこの頬は全てを

なんとここに来て重要ワード「泪」を大胆にカット。「だって、分かるでしょ(笑)」とか言いそう。すごく言いそう。あと、全てを‥‥全てを、何だよ!とツッコミたくなるけどこれも「分かるでしょ」なんでしょうね。分かる。すごく分かる。

 

・崎山君の歌詞は、オブラートで包んだ「何か」

既に本人がインタビューで答えてるそうなんですが、「歌詞は日記」「オブラートで包んで表現する」。抽象的な形容表現も、具体的な「何か」をオブラートで包んだものだと。オブラート厚すぎないかオイ。でもスルッと飲み込んだ後、じわじわと腹の中で確かに効いてくるんだこれが。だからそのまま何も知らず飲み込んでも後から効いてくるし、良く噛んで味わうと、中身が何か想像も可能だと推測できるわけです。

 

・崎山君の歌詞(の中の感情)はコードワークと完全にリンクする

出た、音楽オタが偉そうに。
って思った?思ったでしょ?でも難しい話じゃなくて(曲のコードは難しいけど)メロディーや伴奏が今、メジャー(明るい感じ)かマイナー(暗い感じ)か、その中間のどっち寄りか。分かるでしょ。単語や形容表現が良いイメージか悪いイメージか。伴奏のリズムパターンや歌声そのものともリンクして、ヒントをくれてるわけです。

 


・崎山君の表現は天の邪鬼(あまのじゃく)

オイイイ!さっきのヒントが無駄じゃねーか!
‥‥って思った?思った?ふふーん。青いねー。ここ聴いてみ。

痛いよ あなたが 針に見えてしまって

悲しい歌詞をメジャーの伴奏・メジャーのメロディーで彩るとほら不思議。悲しいんだけど、慰めるような、どこか暖かい優しい気持ちが複雑に混じりあってエモいでしょ。
夏至って曲では歌詞の面で形容表現の天の邪鬼っぷりが爆発してるのでこちらもぜひ。

崎山蒼志「夏至」(MV) - YouTube

次回、中身を見て行きましょう。