五月雨 -samidare- に関する考察的なオレ分かってるぜ的な 第三回 - 棚に上げたり引き出しにしまったり -

いやしかし、確認のために自分のページ開いてみてびっくりですよ。歌詞の「素晴らしき日々」の部分に勝手にアンダーラインが入ってるからなんだろうと思ってクリックしたら。
「かつてNHKで放送された海外ドラマ。」
いやいやいやいやそんな話してないからwww


えー、さて今回も早速進めて参りましょう。
今回最初にやるのは、

・ひとまず冒頭は置いとく

裸足のまま来てしまったようだ
東から走る魔法の夜
虫のように小さくて
炎のように熱い


オイオイオイオイ。一番知りたいのはこの謎めいた最初のフレーズじゃあないか。
でも前情報無いと何があってこのシーンに至ったのかわかんないじゃん。時系列に並べなおそうよ。



・Bメロ(というかサビ前半、というかこの曲どこ切り出してもサビだろというか)

素晴らしき日々の途中 こびりつく不安定な夜に
美しい声の針を 静かに泪で濡らすように
素晴らしき日々の途中 こびりつく不安定な意味で
美しい声の針を 静かに泪で濡らして


うーん、青春の悩みだなー知らんけど。いや、知らんけどってのは、この複雑で独特な文学的厨二的表現が意味するものの事なんだけど、普遍的な青春の悩みだという事はすごくすごく伝わってきて、既に涙腺ヤバい。

でも意味分かんないよね。



美しい声の針を 静かに泪で濡らすように

このワード、大事に引き出しにしまっといて、必要になったら忘れずに取り出しましょう。この美しくも意味不明で厨ニ的輝きを放つフレーズ、多分すごく大事なワードな気がします知らんけど。

何でも言うことを聞いてくれるアカネチャン - YouTube
知ーらんーけどー。

閑話休題 書き始めて思った事など

私ことオレことおっさん、実はこういったブログで文章を一般公開するのって実は初めてなんですよね、いい歳して。

トピックの対象である崎山蒼志君には間違っても迷惑かけたり言葉の針なんかになってしまいたく無いわけです。ファンなんで。

その距離感とか匙加減とか?

前提条件の回で『歌詞は日記』って書いたけど、じゃあ五月雨の登場人物の「君」は具体的に誰?とか絶対やりたくないんですね。

また、このフレーズは誰々の何て曲のパクりだとかそういうの。ゲスくて嫌でしょ。

まあ影響関係は知りたくもあるけど。クリープハイプはカバーしてるから間違いなく好きなんだろうけど。

あとジャンル分けとかね。あれはブルースじゃ無いとか、これってジャズじゃね?いやファンクだとかフュージョンだとかアドリブとってみろとか。ね。嫌じゃん。

なので、そういうやらしさを極力抑えてやっていけたらなーと初心表明しときます。今。猫に顔ぺしぺしされながら。

五月雨 -samidare- に関する考察的なオレ分かってるぜ的な第二回 - はーじまーるよー -

さてここから本題始まりますよー。トイレは行った?大丈夫?それでは。


・まずラストの歌詞を見てみよう。

オイイイイイ!?何カンニングみたいな事してくれちゃってんの!?
そう。カンニング大抵最後に言いたいこと書いてあります。歌でも論文でも。国語のテストのコツな。

冬 雪 ぬれて溶ける 君と夜と春
走る 君の汗が夏へ 急ぎだす
冬 雪 ぬれて溶ける 君と夜と春
走る 君の汗が夏へ 急ぎだす
急ぎだす
急ぎだす


字面だけ見るとちょいエロいよね。聴いてると爽やか過ぎてエロを感じた自分が恥ずかしくなるけど。
‥‥‥この気持ち、もしかしたら崎山君の術中なのかも?蒼志、恐ろしい子‥‥。

さて、それまでの歌詞から前触れもなく突然現れた「冬 雪」のキーワード。覚えときましょう。恐らく何かと対応してます。

 

「ぬれて溶ける」これも突然現れてはいますが、フツウ順番的には溶けてからの→濡れる、になるかと。わざと、敢えて、逆に。この単語に引っ掛かりを作ることで、「何かあるな」と思わせる、いわばヒントじゃないですかね。

 

そして、雪→溶ける→春→夏、季節の移ろいとともに気分が高揚していく感じ。ゾクゾクしますね。特に「春」のところでコードが半音ずつスライドして上がってくあたりは気温が上がってくイメージを喚起して鳥肌立ったひとも多いのでは?立ったでしょ。隠しても無駄だよ。全部知ってるのw (国w)

「国」Music Video - YouTube


話を戻すと、でも歌い方、「急ぎだす」のところ。めっちゃ切なさ全開。メロディー的には、歌詞を知らずに聴き流すと、恋が成就して夏に向かってく爽やかエンディングと思っちゃうところ。この天の邪鬼っぷりが崎山ワールド。

 

走る 君の汗が 夏へ 急ぎだす

やや具体性を帯びた情景描写。「走る」は実際に陸上部とかでグラウンドを走ってる姿でしょうか、それとも何かに打ち込んで熱中してる姿でしょうか。脇目も振らず一心に頑張ってるイメージが伝わってきます。
エロいとか思っちゃったらこっちが恥ずかしいほどに。

 

このエンディングに至るまで何があったのか。これから探していきましょー。

 

KIDS'A キッズエー 崎山蒼志(13歳) 弾き語り 『samidare~五月雨~』 オリジナル曲 in キタラ 浜松駅 - YouTube

↑日村がゆく!で絶賛されてたエンディングのベースラインのクリシェはまだこの頃のバージョンでは見られませんね。サビのコードをなぞって終わります。それでも十分にエモい。あと間奏の『ツ パ・パ・パ』はこれでしか聴けません。これ、エフェクト無しで出来るヤツなの?嘘ーん。


※ちなみにこの一連の考察は、順番に推理を積み上げてくスタイルで書いて行きます。なので先に最後読んでも、何で?ってなっちゃうかも。全七回、よろしくお付き合い下さい。

五月雨 -samidare- に関する考察的なオレ分かってるぜ的な 第一回 - 前提条件とか -

まずは番組で披露されたこの曲から参りましょう。前回も貼りましたが以下動画と歌詞。


【ゲス極川谷・くるり岸田が絶賛!】中学3年生で「オリジナル300曲」の怪物”崎山蒼志”が登場!さらに“中1で作った楽曲”にスタジオ騒然…!|〜第3回高校生フォークソングGP〜|日村がゆく!#51 - YouTube

フルバージョン↓
崎山蒼志「五月雨」(MV) - YouTube


歌詞


裸足のまま来てしまったようだ
東から走る魔法の夜
虫のように小さくて
炎のように熱い
素晴らしき日々の途中 こびりつく不安定な夜に
美しい声の針を静かに泪で濡らすように
素晴らしき日々の途中 こびりつく不安定な意味で
美しい声の針を静かに泪で濡らして
意味のない僕らの救えないほどの傷から
泪のあとから 悪いことばで震える
黒くて静かななにげない会話に刺されて今は
痛いよ あなたが針に見えてしまって
素晴らしき日々の途中 こびりつく不安定な蒼に
全ての声の針を静かに宇宙で濡らすように
素晴らしき日々の途中 こびりつく不安定な意味で
美しい声の針を静かに泪で濡らして
意味のない僕らの救えないほどの傷から
泪のあとから 悪いことばで震える
天使と無様な救えない会話に刺されて今は
今流れるこの頬は すべてを
すべてを すべてを
冬 雪 ぬれて 溶ける
君と夜と春
走る君の汗が夏へ 急ぎ出す
冬 雪 ぬれて 溶ける
君と夜と春
走る君の汗が夏へ 急ぎ出す
急ぎ出す
急ぎ出す

 

んー。エモい。もう蒼志って漢字がエモいって読めちゃう。もう『蒼い』って書いて『エモい』って読もうぜ今から。

この歌詞の意味を、演繹的に、要は歌詞のキーワードからひらめき、連想させられたものを元に、遡って歌詞が意味するものを検証してみるという試みなわけです。

 

あくまでも個人の意見です。

大事な事なのでもう一度言います。

あくまでも個人の意見です。

 

さて最初に前提条件として前情報を準備しておきましょか。


・崎山君の歌詞は可能な限り言葉を削る

冒頭、しょっぱなから「誰が」、主語が大胆にカットされています。サビで「あなた」が出てきて初めて相対化され、冒頭の主語が「僕」だと判明する訳です。5W1Hとか報・連・相とかあったもんじゃない。何があったんだよ。てかまずお前誰だよ。そしてクライマックスの

熱く流れるこの頬は全てを

なんとここに来て重要ワード「泪」を大胆にカット。「だって、分かるでしょ(笑)」とか言いそう。すごく言いそう。あと、全てを‥‥全てを、何だよ!とツッコミたくなるけどこれも「分かるでしょ」なんでしょうね。分かる。すごく分かる。

 

・崎山君の歌詞は、オブラートで包んだ「何か」

既に本人がインタビューで答えてるそうなんですが、「歌詞は日記」「オブラートで包んで表現する」。抽象的な形容表現も、具体的な「何か」をオブラートで包んだものだと。オブラート厚すぎないかオイ。でもスルッと飲み込んだ後、じわじわと腹の中で確かに効いてくるんだこれが。だからそのまま何も知らず飲み込んでも後から効いてくるし、良く噛んで味わうと、中身が何か想像も可能だと推測できるわけです。

 

・崎山君の歌詞(の中の感情)はコードワークと完全にリンクする

出た、音楽オタが偉そうに。
って思った?思ったでしょ?でも難しい話じゃなくて(曲のコードは難しいけど)メロディーや伴奏が今、メジャー(明るい感じ)かマイナー(暗い感じ)か、その中間のどっち寄りか。分かるでしょ。単語や形容表現が良いイメージか悪いイメージか。伴奏のリズムパターンや歌声そのものともリンクして、ヒントをくれてるわけです。

 


・崎山君の表現は天の邪鬼(あまのじゃく)

オイイイ!さっきのヒントが無駄じゃねーか!
‥‥って思った?思った?ふふーん。青いねー。ここ聴いてみ。

痛いよ あなたが 針に見えてしまって

悲しい歌詞をメジャーの伴奏・メジャーのメロディーで彩るとほら不思議。悲しいんだけど、慰めるような、どこか暖かい優しい気持ちが複雑に混じりあってエモいでしょ。
夏至って曲では歌詞の面で形容表現の天の邪鬼っぷりが爆発してるのでこちらもぜひ。

崎山蒼志「夏至」(MV) - YouTube

次回、中身を見て行きましょう。

崎山蒼志をベタ褒めするだけの何か

ヤバいこの子。崎山蒼志。どうヤバいかというと、まず見た目。能ある鷹が爪隠すどころか完全に鳩。牙を持った狼が見た目どう見ても生まれたての子羊。そしてギター。エグい。力任せの様で完全にアンダーコントロール。しかもコードのシーケンスにとどまらず、変幻自在なリズムパターン、ベースライン。タイム感を次々と変えるアクセント。巧みなミュートが生み出すタイトな休符はもう奇跡。一人でバンドサウンドが成立している。曲。激しくて爽やかでエモくてシャレオツで。間奏やエンディングもいくらでも聴き続けていたいって、そうそう無いよ。そしてイノセント過ぎる声。それも理想化されたウィーン少年少女合唱団みたいなやつじゃなく、もっと身近にありふれた、子供が素直に感情のまま喋るそれ。しかしフラットした音程やレイドバックしたタイムの狙い方は黒人音楽的。調子外れのようで、でもギリ音程は伝わる。クリープハイプ的な世界観を感じるよね。さらに歌詞。中二病の皮を被った文豪でしょう。最初に日村の番組で見た衝撃。とぼけたオドオドした子が受け狙いか何かで出て来たか?と油断させ(ごめんなさい正直ナメてました)、イントロのジャカジャーンだけで空気を完全に支配し、曲が終わるまで耳を鷲掴みに惹きつけ離さない。そして気づいたら曲が終わってて、魔法を解く呪文「ありがとうございました(小声)」。鳥肌全開。なんかいい歳したダメなおっさんが涙腺ヒクヒクさせてんの。ティッシュに羽生えてゴミ箱に飛んでく飛んでく。出演者はオイオイ言いながら笑ってたけど、笑って気持ちを逸らさなきゃヤツらも絶対に泣いてたね、あれは。


【ゲス極川谷・くるり岸田が絶賛!】中学3年生で「オリジナル300曲」の怪物”崎山蒼志”が登場!さらに“中1で作った楽曲”にスタジオ騒然…!|〜第3回高校生フォークソングGP〜|日村がゆく!#51 - YouTube


というわけで、もう十分にお分かり頂けたと思いますがこのブログでは崎山蒼志くんにメロメロにされたおっさんが彼の曲についてベタ褒めするだけのアレです。もう十分だという方は回れ右でどうぞ。要は勝手に考察して俺分かってるぜ的ブログでございます。